惨敗・・・

2017/10/23

手も足も出なかった。

人と喋りたくも無くなった。

完全なる敗北、

数日前、恰幅の良い初老の紳士が現れた。

 

 

ただならぬオーラ、

ヤバイと思ったが、

だからとてどうする事も出来ない、

「結構揃ってますね」

「いや、まだまだですよ、お恥ずかしい限りです」と、

 

 

完全に白旗を持った。

「あれは無いんですか?」

え、そ、そこか・・・

確かに数日前、ネットで見ていた。

あの時注文していたら、

 

 

昨夜入荷していただろうが、

当店では手の出ない値段だった。

「あれは、かなりお高いので」

「では、あれは?」

そ、そこ・・・

 

 

一体何者なんだ。

何故、そんな物を知っているのだ。

情報が早い、

 

それも実はその時、

同じようにネットで見ていた。

どんな味なんだろう?と、

「では、あれは?」

無い・・・

「あれは?」

無い・・・

 

「あれ?」

 

 

計5本、全く無い、

ここまで無かったのは初めてだ。

いや、全て未知の領域、

しかも、グッドチョイス、

多分、一本も外れは無いだろう、

 

 

この方、本物だ。

嫌がらせや、俄か、偽者は沢山居る。

わざと手も届かないような高価な物や、

BARでは買わないような、奇天烈な物を注文し、

無いと言うとニヤニヤする。

 

 

そういう下品な輩では無い、

少しお高い物なのだ。

が、当店ではそれが、

乗り越えれない壁なのだ。

 

 

下町の限界・・・

「そうですか、残念ですね、あれば飲みたかったのに」

確かにあれば飲むだろう、

「年代物は?」

 

「アードベッグ75年のこれと、

ノッカンドウ64年のこれが」

「じゃあ、それと、それを」

 

 

ほら、やっぱり・・・

 

 

「私は50万、100万クラスは買って、

家で飲むんです。ので、そのクラスはBARで」

 

 

確かに、北新地なら言われたウイスキーのクラスなら、

置いているだろう、

「この前新地のBARから40万の請求書が来て、

驚きましたよ」

 

「・・・・」

 

 

そりゃ驚くは・・・

週に1~2回でそれなら、

 

「ブラックボウモアは合計6本飲みました」

 

 

「・・・・」

 

世の中が広いと言う事を解って貰おうと、

この下町で頑張っているが、

世の中の広さを思い知るのは、

いつも私だ・・・

 

 

嫌味が無く、

笑顔で、

無いと言うと、

本当に残念そうな顔をした紳士だった。

 

 

しかし、ここが本当に限界なのか?

誰かに限界を決められていないか?

 

まあ、惨敗した事に間違い無いので、

惨敗記念日と名付けよう・・・

 

私にお金は入りませんが、

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