褪せる境界

2018/01/30

クオーレに牙剥くコスモスクエア。


何時もと変わらぬ穏やかな日常に、クオーレは小さく欠伸をする。
こんな風に穏やかに過ごせるのも、親友のアウグストと恋人の翠陽のお陰だ。
二人の兄と喧嘩別れをしたままだけれど、何時かはまた三人で国を治めたい。
淡い期待を捨てる事を出来ずにうだうだするなんてらしくないと笑って居たら、扉を叩く音が聞こえた。
「…翠陽?」
こんな時間に珍しいと思いながら、想い人の名を呼ぶ。
「珍しいな、どうしたんだ一体?また蒼星殿の惚気話に付き合わされたのか?」
疑わずに話し掛け、クオーレは扉の鍵を明ける。瞬間、後方に吹き飛ばされる。
「久しいなクオーレ、我が愛しき器よ」
「…!!兄上…!!」
鈍い痛みに顔を歪めながら、来訪者の正体に目を疑う。
今は決別をし、ましてや自分が生きている事すら知らないはずの兄、コスモスクエアが目の前に居るのだ。
「…空虚であった筈のお前が、こんなにも何かに満たされ、真実を注ぐ事が出来ぬ状態とは…」
コスモスクエアの発言に恐怖を覚え、クオーレは静かに後ずさる。
「小鹿の様に怯えるな、歯止めが利かなくなるだろう?」
瞬間、体に激痛が走る。
「がっ…!!」
肩に何かが突き刺さった。
「ほうら、痛いだろう?それ以外は忘れれば良い。なんなら、さっき言っていた『翠陽』とやらを此処に誘き出して、お前の前で殺そうか?そうすればお前も私を受け入れて、真の真実を具現化出来るだろう」
翠陽の名を出され、頭が真っ白になる。それだけは避けたかった。
「兄、上。私が真実を受け入れれば、翠陽は、翠陽は救って頂けますか?」
震える唇で言葉を紡ぐ。その一言にコスモスクエアはにっこりと微笑む。
「嗚呼、良いだろう。可愛い弟の頼みなら、翠の龍には手を下さないさ」
優雅な手つきで顎を掴まれる。
「その心も命も体も、真実を具現化させる礎になると誓うならね」
「…っ」
耳飾りの宝具が、ちゃりっと音を立てて鳴った。


うひん終わりが見えない。
翠陽さんの名前を出されたらあら不思議、素直に受け入れようと努力するクオーレ((
耳飾りの宝具とは、「遺伝子の鎖」です。クオーレが持ち出して逃げたモノだったり?